幹に穴があいた木は、本当に危ないのか?「切る・切らない」の境界線
その不安は、木を想うからこそ

散歩道や庭先、街路樹で、幹に大きな穴があいた木を見かけることがあります。
「中が空っぽで、腐って倒れてしまうのではないか」
「今のうちに切ってしまったほうが倒木の被害が出ないのでは」 そう感じるのは、
あなたが木を大事に見守っている証拠であり、とても自然な感情です。
けれど、木の寿命は人よりもずっと長いもの。
私たちが「異常」だと感じるその姿は、
実は木が何百年と生き抜くために選んだ進化であることも多いのです。
1. 幹が空洞になるのは「病気」ではありません
まず知っておいていただきたいのは、「空洞化は木が長く生きてきた証」だということです。
木の幹の中心にある「心材」は、ある程度の年月が経つと、
水分を運ぶ役目を終えて硬い支柱のような存在になります。
さらに時が経つと、菌や微生物の力を借りて少しずつ分解され、やがて空洞になります。
これは事故ではなく、成熟した木に起こるごく自然な現象。
決して、その木が死に向かっているわけではないのです。
2. 木は「外側」で生き、変化する
人は骨や筋肉という「内部構造」で体を支えますが、木は全く別の戦略をとっています。
- 命の通り道は外側に: 水や養分を運ぶ「形成層」や「辺材」は、幹の最も外側の層にあります。この外側が健全であれば、中が空洞であっても木は生理的に生き続けることができます。
- 「軽く」なって風をいなす: 老木は空洞化することで自らの重量を軽くし、重心を下げます。若い頃と同じ硬さを保つのではなく、しなやかに、軽やかに。形を変えながら環境に適応していく姿は、むしろ合理的なのです。
3. SEAFORESTがみる「本当に危ない」サイン
では、私たちは何を基準に「安全」か「危険」かを判断すればよいのでしょうか。
現場で私たちが注視するのは、穴の大きさよりも「木全体の踏ん張り」です。
【チェックしたい5つのポイント】
- 地際(じぎわ): 根元が腐って柔らかくなっていないか
- 足元の感覚: 根元を踏んだとき、地面が沈むような違和感がないか
- 縦の亀裂: 幹の外側に、構造を裂くような縦方向のヒビがないか
- 傾きの進行: 一時的な傾きではなく、年々角度が変わっていないか
- 枝の枯れ込み: 先端の枝が広範囲に枯れてきていないか
たとえ中が空洞でも、外側の組織がしっかりと硬く、根元が大地を掴んでいれば、
すぐに伐採する必要がないケースはたくさんあります。
4. 「切らない管理」という選択肢
木の管理とは、伐採することだけを指すのではありません。
「不安だから切る」という感情を一度横に置いて、「リスクを下げて共生する」方法を探ることもできます。
- 剪定: 枝を整理して風の抵抗を減らす
- 重心の調整: 重すぎる枝を落とし、バランスを整える
- 土壌改善: 根の活力を取り戻し、自立する力を支える
これらは「放置」ではなく、木と対話を続ける立派な「管理」の形です。

視点を変えれば、木との関係が変わる
木は言葉を話しませんが、その姿すべてを使ってメッセージを発しています。
空洞は、その木が乗り越えてきた時間の層であり、知恵の形。
「穴があいているから危ない」という一点の不安だけで判断せず、
その木がどう立っているか、全体を見てあげてください。
もし、お庭の木について「これはどうかな?」と迷うことがあれば、いつでもご相談ください。
木にとっても、あなたにとっても、一番心地よい未来を一緒に考えていきましょう。

三重県の特殊伐採・空師|SEAFOREST
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